ドデカ二ス諸島は、エーゲ海南東部に位置する諸島です。「ドデカニサ」ギリシャ語で12の島を意味し、その名の通り、ロードス島をはじめとする大きな12島と多数の小さな島々から成ります。冬も温暖で、考古学の重要な史跡や、ビザンチン様式・中世の建築も多く、素朴で伝統的な村々をめぐるのも魅力です。

(主な島)

  • ロードス島
  • パトモス島
  • レロス島
  • カリムノス島
  • コス島
  • ニシロス島
  • ティロス島
  • アスティパレア島
  • シミ島
  • カルパトス島
  • カソス島
  • カステロリゾ(メギスティ)島

ロードス島

 ドデカニス諸島の首都、ロードス島はクレタ島と並ぶ大きな島で、ギリシャの島の中では4番目に大きく、気候は年間を通じて温暖です。観光ポイントも多く、旧ロードス市の城塞は「ロードス島戦記」の世界で、中世騎士団の面影を色濃く残します。一方、リンドスは古代のアクロポリスが残り、ギリシャのイメージである白い家並みが展開します。ロードスからは船で、シミ島、チャルキ島、カステロリゾ島、ティロス島へ日帰り旅行ができます。

リンドスのアクロポリス
ロードスタウンの騎士団通り
14世紀の風車(マンドラキ港)

コス島

ドデカニサ諸島の中で3番目に大きな島です。南北に長く、南東部には低い山脈が連なります。 医学の父ヒポクラテスの生誕地であり、コスタウンの南西4kmには、医学界の関係者が世界各地から訪れます。古代医学の中心として知られる医学の神アスクレピオスの聖域(神殿跡)アスクレピオンがあり、その後ローマ時代から、中世ロードス騎士団の時代に至るまでの建造物が数多く残っています。観光地としても人気の島で、ロードス島やアテネ、トルコのボドルムからの便もあります。
 夏の夜の“へびつかい座”はアスクレピオスの姿です。医学の象徴である“へび座”を体に巻いています。その足元を“さそり座”が毒鋏を向け、それを“射手座”の半馬人ケイロンが狙います。ケイロンはアスクレピオスに医学を教えたケンタウルス族の先生です。

パトモス島

パトモス島は、神学者聖ヨハネが黙示録を書いた場所です。重要な宗教的遺産として、神学者聖ヨハネ修道院と黙示録の洞窟のある歴史地区(ホーラ)が世界遺産に登録されています。パトモス島は、ヨーロッパで最も重要な7つの巡礼地の1つとされます。 近年では、美しい土地と海の景色の中でスピリチュアルな雰囲気を体験しようとする自然愛好家も多く訪れる島になっています。島の魅力の多くは伝統的な村々にあり、細い石畳の路地、伝統家屋、地元料理が観光客を魅了しています。

カリムノス島

伝統的な海綿の収穫で世界的に有名な島です。また、ロッククライミングや登山の聖地としても有名で、石灰石の様々なスタイルの岩山や洞窟、約200のハイキングコースがあります。何世紀にもわたって海底に横たわる古い船の難破船や洞窟探検も人気のアクティビティです。

カルパトス島

ドデカニサ諸島で2番目に大きい島です。手つかずの風景や松林が多く残っています。古くからの伝統や慣習が日常生活に垣間見られ、伝統のお祭りやお祝い行事もさかんです。新石器時代後期(紀元前4000〜3000年)から人が活動していた形跡が残っており、ギリシャ神話によると、タイタンの島で、古代には4つの要塞都市がありました。

レロス島

あまり知られていない島ですが、天然の港や入り江、美しいビーチやイタリア統治時代の建築が並ぶ町など、小さな宝石のような島です。豊穣の女神アルテミスが祀られていたと言われています。手つかずの自然や素朴なギリシャの雰囲気を味わいたい方にはレロス島は最適です。

ニシロス島

ニシロス火山はギリシャで最も若い活火山で、独特の地質で注目されている島です。火山観測所や火山博物館もあり、観光客も気軽に入ることができます。ギリシャ神話によると、ニシロスは神々と巨人の戦争中に創造された島です。ポセイドンが巨人ポリュヴォティスをコス島まで追いかけ、その一部を切り取って投げつけ、エーゲ海の底に沈めた時にできた伝説の岩が、ニシロス島とされています。火山の噴火は、沈められた巨人の怒りと言われています。

シミ島

港から見える、おとぎ話のようなカラフルな伝統的な石造りの家が立ち並び、赤い瓦屋根と手すり付きのかわいい小さなバルコニーがこの島の特徴になっています。島内にはシミ島の守護聖人ミカエルが祭られている修道院があります。

毎年7月から9月まで、クラシック音楽と現代音楽のコンサート、ダンス、演劇、映画、文学の夕べなど、多数の文化イベントが開催されます。